大人の世界
3
ピンポーン・・・
ドン、ドン、ドン!
戸を叩いた・・・
・・・・・・・・・。
ドン、ドン、ドン!!
「キュウキさん!いる?!」
・・・・・・・・・。
何も、音がしない・・・・
鼓動が、激しくなる・・・
階段を下り、
アパートの、窓側に回って見た・・・
「え?!」
「・・・・・・・・・なんで?!・・・・・」
・・・そこには、
"空き部屋"の、貼り紙が・・・、
窓に貼ってあった・・・
「キュウキ」のいた、
「203」号室・・・
「なんで!?」
足の力が、抜ける・・・
「キュウキ」は、
ここにはもう、いなかった・・・
「なんでなん!?」
「やっと分かったのに!・・・」
「キュウキさん!・・・」
「・・・なんで・・・!」
しばらく、しゃがみ込んだ・・・
「・・・は!」
「そうだ!・・・」
私は、「キュウキ」のバイト先を思い出した
「ラウンジ!・・・」
「確か・・・・・・・、片町の・・・・」
「Rアール!・・・」
そして、
急いで、車を走らせた
なんのあてもなく、
いるかどうかも、なにも分からないけど・・・ 、
とにかく「キュウキ」に会いたかった・・・
どこでもいい・・・
探さずにはいられなかった・・・
片町は、
クリスマス・イヴで、人混みで溢れ、
車も渋滞してた
「早く!・・・」
焦る気持ちと、キュウキに会えるかどうか の、
不安な気持ちで、ドキドキがおさまらない
やっと、立体駐車場に停めて
「Rアール」に向かって走った
「確か、エルビルの、えっと・・・、最上階・・ ・!」
エレベーターが開くと、「Rアール」の文字 の、ネオンが見えた
私は急いでドアを開けた
「いらっしゃいませ」
みんな一斉に、こっちを向く
「・・・あ、あの、キュウキさんいますか?!」
「キュウキさん?・・・・・・」
「ああ、キュウキね」