大人の世界
終章


「キュウキさん?!」



「うん!キュウキさん!」

「いつもの番号!、いつもの合図!」




それは、

かつて「キュウキ」との間で、やり取りして た番号だった

何故、急にその番号が入ったのか、分から ない

もう、いるはずのない、

あの部屋の番号・・・


「いつも、これ入ると行っとってん!野々市 に!」

「部屋に来いって、合図!」


「・・・・・・・・・・・」

「!!」




「行け!行ったらおるんじゃない!?」

「来い、ってことなんじゃない!?」

「だって、空き部屋やったよ!?」

「・・・でも、絶対そうやって!」


「行ってみ!」


「う、うん!・・・・」

「そやね!・・・」




「行ってみる!」


そうゆうと私は、

急いで野々市に向かった

なんの確信もなかったけど・・・





野々市に着いた頃には、

真っ暗になってた

真冬の寒さで、吐く息が白い・・・


アパートの前に来た

だけどやっぱり、

あの部屋は、暗いまま・・・


私は車から下り、

ゆっくりと、203号室に、歩いて行った・・・





・・・・・・・・。

ピンポーン・・・





・・・・・・・・・。

やっぱり、返事などない





「やっぱり、・・・何かの間違えやったんかな ・・・」


ピンポーン・・・



・・・・・・・・・・。

辺りをを見渡した

真っ暗で、

静かな住宅街は、

誰も、人影などなかった・・・


「やっぱり・・・・、違ったんや・・・・・」

少しの期待があった分、

落胆は大きかった・・・

肩を落とし、

うつ向いた・・・



ふと、

玄関のドアに目がいった

そこに、白い封筒のようなものが、挾

間ってるのが見えた




「!!」

「はっ!」


私は、封筒を手に取った・・・





――「ゆかちゃんへ」――


表書きに、そう書かれてあった


「!!」

「キュウキさん!!」





階段を下り、

辺りを探した・・・



「キュウキさん!!」




だけど・・・

静かな住宅街は、

そのまま静寂に包まれてて、

「キュウキ」の姿は、なかった・・・




コツ、コツ、コツ・・・・

階段を、昇り・・・

203号室の前で、座った


手紙に、何が書かれてあるのか・・・

封筒を、開いた・・・








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