大人の世界

1





私は、「アツシ」の車に乗りながら

「キュウキ」の家に向かう途中、

どこか胸が踊るような、 ワクワクするような、

そんな気持ちがはっきりあるのが分かった





「キュウキ」の家に着いた頃にはもう、 すっかり朝になっていた

そこは、工大生が住むアパートで二階の階 段を上がると、中程に「キュウキ」の部屋が あった



扉を開けて入ると、台所の奥に居間があり 、正面にこたつが見えた

「アツシ」は、来たことがあるのか、スタス タと入っていく

私とゆきみは、 「おじゃましま~す」 と、言って、

「へぇ~・・・」と言いながら、珍しそうに辺り を見回しながら入って行った



「ゆきみ、ベッドじゃないと寝れんし、ベッ ドね!」

そう言うと、 こたつの少し右奥にあるベッドに飛びのっ た

「キュウキ」はこたつの、向かって左側に

「アツシ」は、向かって右側に

私は、正面に・・・

座ることになった




「あー、疲れた」

「アツシ」はそう言うと、バタッと横になっ た

みんな、本当に眠いのか、 2、3の会話をしただけで、 もう目を瞑ってる




「キュウキ、飲むぞ!・・・酒持ってこい・・・」

そう言いながらでも、「アツシ」は、半分寝 てる

私も、もうすっかり眠くなり、横になって 目を閉じた

左側に向いたから、

「キュウキ」が見えた・・・・・





「キュウキ」も疲れたのか、もう眠ってるよ うだった

なんだか、心地よい空間・・・

閉めたままのカーテンで、 朝と言っても、部屋は薄暗く

今日会ったばかりの人と、 男女4人で寝てる

そんな、ルールから外れたような・・・

決まりごとのない自由な解放感のような・・・

今までない経験に、 胸が踊り、

少し、大人になった気分になった・・・












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