大人の世界
1
きっと、あの時・・・
初めてポケベルを打った時も、
初めて、
「キュウキ」に抱かれた夜、感じた不安も・・・
こうなることが、
どこがで、分かっていたのかもしれないね・・・
「ひや~!水まだ冷たっ!」
「まだ冷たいよ~!6月やぞ!」
「アハハ~!」
あの日・・・、
『大人の世界』を見せてくれたあなた
私はその魅惑的な世界に、恋焦がれ・・・
足を踏み入れた・・・
ずるずると、
あっという間に、染まってく
堕ちてゆく・・・
気をつけないと、
底なし沼のように、深いところまで、
堕ちてしまう・・・
それが、『大人の世界』・・・
だけど、
そんな危険と引き換えに
禁断の果実は甘く、
とろけるほどに、美しい世界・・・
あなたが私を、大人にした・・・
あの日、禁断の果実を、味わった・・・
一度味わうと、クセになる
底なし沼だと、分かっていても・・・
また、味わいたくて、
人は、足を踏み入れる・・・
私も、
「キュウキ」さんも、まだ、
足を踏み入れたばかりの子供・・・
また、味わいたくて、きっと―――
「ゆか、今日の夜どうする?」
「う~ん、・・・そやな」
足を、踏み入れる・・・
「飲み屋行ってナンパされよ!」
「アハハ~!」
「そやな!」
底なし沼が、待っている・・・
次は、
どんな「禁断の果実」が、待っているのか・・・
ようこそ、
『大人の世界』へ・・・―――――
――END――
※この物語は、実話に基づいたフィクションです。