大人の世界

2





「ピー、ピー、ピー、」




(ハッ!)

いつの間にか、眠ってたのか、 その音で目が覚めた

「アツシ」のポケベルの音だった





「んんっ・・・・」

そう言うと、「キュウキ」も起きたようだ

「ヤバイ、仕事入った・・・行かんなん」


そう言うと、「アツシ」は、眠そうに目を擦 りながら、 足をふらつかせ歩いてった

「後で迎えにくるし、お前ら寝とれ」

そう言うと、部屋から出て行った



私は、ふぅ~、とため息を吐くと、 不意に、「キュウキ」のほうを見た

「キュウキ」も起きてしまったみたいで、寝 ぼけまなこでこっちを見た

しばらく目が合い、

私は、恥ずかしさと眠さで、 また目を閉じた









ドキドキドキドキ・・・・・



ゆきみは、寝てる

あたしと、「キュウキ」さんだけが起きてる !

そう思うと、目を瞑りながら、 さっき目が合った時の「キュウキ」の顔を思 い出し、さらに鼓動が高鳴った








ガサッ!


こたつの布団が動く音がして、 同時に、

「キュウキ」の腕が、自分の体に当たった のが分かった・・・





!!!――――――







「ゆかちゃん・・・」




酒やけの、少しかすれた声がした

「キュウキ」の声だ・・・!

目を開けると目の前に、 私のすぐ、顔のそばに、「キュウキ」の顔 があった







「・・・え?!」


















< 5 / 44 >

この作品をシェア

pagetop