大人の世界
2
「ピー、ピー、ピー、」
(ハッ!)
いつの間にか、眠ってたのか、 その音で目が覚めた
「アツシ」のポケベルの音だった
「んんっ・・・・」
そう言うと、「キュウキ」も起きたようだ
「ヤバイ、仕事入った・・・行かんなん」
そう言うと、「アツシ」は、眠そうに目を擦 りながら、 足をふらつかせ歩いてった
「後で迎えにくるし、お前ら寝とれ」
そう言うと、部屋から出て行った
私は、ふぅ~、とため息を吐くと、 不意に、「キュウキ」のほうを見た
「キュウキ」も起きてしまったみたいで、寝 ぼけまなこでこっちを見た
しばらく目が合い、
私は、恥ずかしさと眠さで、 また目を閉じた
ドキドキドキドキ・・・・・
ゆきみは、寝てる
あたしと、「キュウキ」さんだけが起きてる !
そう思うと、目を瞑りながら、 さっき目が合った時の「キュウキ」の顔を思 い出し、さらに鼓動が高鳴った
ガサッ!
こたつの布団が動く音がして、 同時に、
「キュウキ」の腕が、自分の体に当たった のが分かった・・・
!!!――――――
「ゆかちゃん・・・」
酒やけの、少しかすれた声がした
「キュウキ」の声だ・・・!
目を開けると目の前に、 私のすぐ、顔のそばに、「キュウキ」の顔 があった
「・・・え?!」