大人の世界

3




髪をかきあげてた手が、 頬を触った

右耳も触れるくらい、大きく、 何回も、撫でた

「フフッ」と、軽く笑うと、 そのまま上を向き、タバコを吸い始めた



「キュウキ」の首筋と、

タバコの煙のニオイと

タバコを持つ指先が、色っぽく・・・

大人の男に、感じた・・・


タバコを吸い終わると、

はあ~・・・、と言いながら、

くるりと背中を向けて

「キュウキ」は、眠りについたみたい・・・



私は、どうすることも出来ず、

ただ、その背中を見つめてた・・・


背中が、「子供だね」って、

言ってるように感じた・・・





だんだん、だんだん・・・

意識がなくなりかけて・・・

私も、眠りにつきそう・・・


ふと、「キュウキ」が寝返りして、

こちらを向いたのがわかった



眠る寸前、

薄目を明けて、少しニコッと笑った「キュウキ」が見えた・・・


遊び慣れた、大人の男――――








(キュウキ・・・さん・・・)


胸の奥で、呟いた―――








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