君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~


「確か午後10時に日本に到着と聞いておりますが..」



それが何か、という質問には答えなかった。

そうか、お母様が帰って..大変、こうしちゃいられないわっ!



「霧島、帰ったら出かけるから」


つい身を乗り出したあたしに霧島がお座り下さいと落ち着かせる。


「どちらへ..?今日はこれからピアノのレッスンがございますが?」



ミラー越しにこちらを見る目が冷たい。



分かってるわよ、あんたの言いたい事なんて。


でもね、こっちは急用なのよっ
早くあれを見付けてお母様に報告しなくてはっ!



睨み返したあたしに、霧島は諦めたのかふうっとため息を付くと



「くれぐれも、危ない事はしないようにっ!」


と釘をさしてきた。



ふん、危ない事なんて一つもないもん



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