君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~
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「おはよ、未華」
翌日、昨日の疲れがとれないまま学校に登校したあたしに、沙穂がイジワルな笑顔であたしに近付いてきた。
「なに、どうかしたの?沙穂」
その変な顔の意味が分からないあたしはそのまま質問をすると、簡単に答えをくれた。
「昨日、霧島さんが迎えに来てくれたんだって?」
「ぎゃ、ちょっとお待ちになって、沙穂さん、何故それを?」
わざと上品な言葉で返すと、沙穂はちっちっちと人差し指を左右に振って続けた。
「そりゃああんた、昨日あんな車で学校に来たら分かるっつーの」
あぁ、すっかり忘れていたわ
さらば、あたしの青春..
「でも安心しなさい、あれに乗ったのがあんただって事はまだバレてないから」
「え?」
「入学式から地味にしてきてよかったわね、誰もあんたがあの“王麗”だとは思ってないわよ」