君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~
「えっと、あたし達は」
どう説明したらいいのかしら、この人に。
戸惑っていると
「すみません、僕達はただの通りすがりの人間です、どうぞお気になさらずに」
拓登がさらりと答えた。だけど相手もそれで納得するような人ではないみたいで。
「いや、そういうわけにはいかぬ。しかもなんだ、その変な服装は!
貴様らもしや攘夷の者かっ!」
じょ、じょうい?
なにそれ..
「違います、断じてそれはありません」
「ならば何故異国の輩が着るようなものを身にまとっているのか!」
男の人の顔がどんどん険しくなっているのが分かる。
どうしよう、これってとってもやばいパターンじゃないの?
まさか江戸に来て最初にしょっぴかれそうになるなんて..
「王麗さん、走るよ」
小声でそう囁くと
「え、ちょっと待って!」
あたしの腕を掴んで走りだした。