君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~
西本願寺の中に入るとあたしをすぐに木の陰にしゃがませると男の人は
そう言って何処かに行ってしまった。
息を整えて、待ち合わせの場所を見上げる。
200年くらい先の未来から来たのに、ちゃんとここに存在してるのね。
「そんなにここが珍しいかい?」
ハッとして我に返ると、さっきの男の人がニヤニヤしながらこちらを見ている。
「すごいですね。昔からちゃんとここに立っているなんて」
「そうかいここは再建されたんだけどな」
「そうなんですか?」
「詳しい事はしらねぇがな。とっつあんが言ってたぜ」
そうなんだ、彼に向けた視線をもう一度本願寺に移した。
「さっきちらっと見てきたけど、追手は来ねぇみたいだな」
「そう、ですか。良かった」
「でも掴まるのも時間の問題だぜ?あんた何しやがったんだ?」
「何も..してないんですけど」
「..の割に変な服着てるし。此処では気を付けた方いい。最近お偉いさん方がピリピリしてるからな」