君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~


ここは、多分そうね


一瞬考えてお店の外に出た。


「佐吉さん?どうかされましたか?」


あたしの登場に瞳をキラキラさせる佐吉さん。


女の人は驚いてあたしを見つめる。


「あ、あなたは一体..」


驚くのも無理はない、今のあたしのこの格好を見たら余計そう思うよね。


「初めまして、未華と申します」


深々と頭を下げると、女の人も丁寧にお辞儀をした。


「雪と申します」


雪さん、という女の人は肌の色がとても白くて綺麗で、女のあたしでもつい見とれてしまう。


「あの」


雪さんの声に我に返り、ある事を閃いたあたしはこう続けた。


「すみません、実は私怪しげな人達に追われているんです。その時着ていた着物を全部はぎ取られ、今はこんな変な恰好をさせられているのです」



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