イケメン殿様と平凡少女
萌絵の父親は萌絵が
小さい頃に病気で
亡くなっていた。
それからは代わりに
母親が働いているので、
萌絵が家事をやるのは
当たり前になっていた。
スーパーで買い物をして
その帰りにたまたま
通りかかった花屋で、
トマトの苗木が
萌絵の目に入る。
今日買ったトマトも
この前より高くなってたし、
毎年自分で
育てるようにすれば
安くすむかな…。
安くすむと思うと
買わずにはいられないのが
萌絵の性格だった。
スーパーで買った食材と
トマトの苗木をぶら下げて
歩いていると、
辺りは既に暗くて、
空には青白い月が
浮かんでいた。