イケメン殿様と平凡少女









「ちょっと
無防備すぎんじゃねーの?」

「えっ…?」











いつもはあたしが
モスケをからかって



モスケは真っ赤になって
畑に逃げるのに。









モスケの顔は真剣。



でもどこか悲しそう…。












「なんで…
オレじゃダメなんだよ……」








小さな呟きとともに
モスケが甘えるように
あたしの肩に顔を埋める。







あたしはいつもと違うモスケに
どうしていいかわからず、
ギュッと目をつぶった。














パッ














その途端新鮮な空気が
入ってくる。





あたしが目を開いた時には
モスケはすでに
立ち上がっていた。











「いつもからかってくる
お返しだ」

「はっ??」

「ちょっと来い」









モスケはベッと舌を出すと
あたしの手を引いて
歩き出した。








最近モスケに
引っ張られてばっかだ。









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