モノクロ~光の導く方へ~
(まだ…もう少し…)
少女の足は止まらない。
まるで何かに呼ばれているかのように、どんどん進む。
少しずつ、少しずつ、少女の身体が見えなくなっていく…
(そんなに呼ばなくても、もうすぐ…そっちに着くから)
ついに、少女の肩まで海の中に浸かってしまった。
何が彼女をそうさせているのか…
真冬の海は人通りもなく、誰も少女に気付かない。
しかし、そこに1人の少年が通りかがった。
少女に気付き、海へと走り出した。