セカンド・サラン~年下君に恋して~
北原君は、ぎこちなく私にのっかると、

服を着たまま首筋にキスをした。

自分のベルトを外し、私のジーンズに手をかけた。

「佐伯。やっぱあかん。

 なんか違う気がする。

 お前もそうなんやろ?」

涙がひとすじ、流れた。

北原君は、ベッドに仰向けになって、

あーっと言うと、隣に寝ている私の顔を、大きな手で隠した。

「お前の泣いた顔は、もう見たくない。

 佐伯は、もう泣いたらあかんのや。

 一生分、泣いたやろ?

 まだ足りてへんか?」

「泣き虫は、一生泣き続けるの。」

「阿呆!そのなんとかいう年下野郎は、佐伯を笑わすんか?」

「北原君ほどじゃないけど。」

「そっか。オレの方がやっぱりおもろいんやな。」

二人で、クスクス笑いあった。
< 112 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop