たった1つの答え
休み時間になると、ミキがすっ飛んできた。


「ちょっとちょっと!!なんでなんで?
 あの人だよね!?」


・・・パニくってるらしく同じ言葉を連呼している・・・
ミキと私は悠の方を見た。


悠は女の子に囲まれて動けなくなっている。

私の顔は悲しそうにゆがんでいたらしく、


「かな・・・大丈夫?」


と顔を覗き込んできた。


「大丈夫・・・でも、疾風に話したいけど・・・今無理なんだよね・・・
 どうすればいいと思う?」

「あぁ~・・・どうやって言いに行こうか・・・」


ミキと私が黙ってうつむいていると上から聞き慣れた、私の心を揺らす声が聞こえた。


「二人とも、久しぶり」


この声・・・


「悠・・・」

「覚えててくれたんだ。ありがとう」


ニコっと微笑んだ顔は私が好きだった頃と変わってなくて・・・
私の心は簡単に乱された。

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