ひだまりシュガー2 ~イケメン達との恋と友情~
「去年、高校生が役所に見学に来たことがあっただろ?覚えてる?」
王子は静かな声で話し始めた。
「覚えてる。王子が担当だったんだよね」
「ああ、そう」
みんなの前で話す王子にますます惚れちゃったんだよね。
「あの時じゃ・・・・・・」
王子は、ため息をついた。
「あの日に、俺を見たらしい。あの子は」
やっぱり・・・・・・想像通り。
ユッキーは、山田を狙ってなんかいない。
王子を狙っているんだ。
だから、王子の彼女である私に近付いた。
だから、私の親友である亜沙子に近付いた。
そこに“友情”なんてなかったんだ。
涙が溢れた。
気付かれないようにしていたのに、ふたりはすぐに気付く。
「おい、陽菜。泣くなよ。まだ話してないのに」
「そうだよ。陽菜!大丈夫だよ」
王子とどうこうあったなんて思っていない。
今までのユッキーとの楽しい時間が全部うそだったと思うと、悲しくて仕方がない。
ユッキーを嫌いになりたくなかった。