桜花火
「 ……ただいま 」
そう呟いた私の先に見えている人、
私の大切な、大切な、
"家族"。
―――――――の、写真。
遺影、と、いうのだろうか。
それに向かって、
ポツリ、ポツリと、
たまにクスクス笑いながら、
私は静かに話しかける。
「高校の入学式、
無事に終わったよ。
そうそう、奈々とも同じクラスになってね!
…あ、あと、隣の席の男の子、なんか面白そうな子だったよ。
まぁ、楽しくなりそうかな……」