桜花火
「あー…、眠い…」
私は少し目をこすり、ふわぁっと大きなあくびをする。
「昨日は早く寝たのにな…」
なんてったって昨日私が寝たのは9時である。
小学生かよ!というツッコミがどこからか聞こえた気がしたよ。
何故昨日私がこんなに早く寝たのかというと、今日が、私が通い始める高校の入学式だったからだ。
そう、今日から私は高校生。
憧れのJKの仲間入りである。
今日から、あの中学校の重苦しい校則から解放されるのだと思うと心が軽くて仕方がない。
朝から携帯がカバンに入っている、という小さなことにさえバカみたいに感動してしまう。
とにかくいろんな事に胸をふくらませながら、私は高校までの道のりをとぼとぼと歩いていく。