もう一度、君に・・・
「はい、これ」
あたしのメモを差し出してきた。
紙には、アドレス、番号、
そして名前が書いてあった。
あ、あたしこの人の名前知らなかったな。
「森下悠灯(もりしたゆうと)っていうんですか。」
「そうだよ。あれ?言ってなかったっけ。」
あれ?と首をかしげて考えている。
「あたしは、坂口陽花(さかぐちはるか)です」
悠灯さんは、
「さかぐち、はるか・・・?」
また、考え込んでいる。
あたし、なんか変なこと言った!?
「どうかしました?」
顔を上げて
「聞いたことある名前だなって思って」
と言った。
「あ、そうなんですか・・・」
悠灯さんは
「まあ、いいや。それじゃあ
なにかあったら、連絡して。
いい報告、まってるよ。」
そういって笑った。
八重歯が印象的な笑顔。
「じゃあね。」
そういい残し、
走っていってしまった。
すぐに見えなくなってしまい
あたしは家の中に入った。