もう一度、君に・・・
携帯が鳴った。
この着メロは母からの電話。
母から電話がかかってきたのは、
3週間ぶり。
実際、1ヶ月は会っていないだろう。
あたしは携帯を開き、電話に出る。
「もしもし? どうかしたの?」
あたしは親の前だと、
物静かで、落ち着いた出来る女の子を演じている。
『あ、陽花!あなた、
勉強しっかりとしてるの!?』
たまに電話してきたと思えば、
勉強の話。正直、ウザイ。
けれど、そんなこと言えることもなく、
「してるよ。どうして?」
『学校の先生から、連絡が来て
最近、授業をしっかりと受けていないって言ってたわ。どういう事なの?』
はあ・・・、めんどくさい。
どうでも良いくせに、しつこい。
『聞いてるの!?陽花?あなたのためを思ってぃ・・・』
ブチッ
最後まで、話も聞かず携帯を切った。
「はあ・・・・・・ため息ばっかりだ」