もう一度、君に・・・
校舎に入り、靴を履き替える。
三人同じクラスだから、教室まで一緒に歩く。
現在、7時50分。
教室にはあまり人はいない。
自分の机で教科書をバッグから取り出す。
「おはよー。」
教室の入り口から声がした。
大翔だった。
あたしは思わず、顔を背けた。
やっぱり、まだ好き。
あたしは大翔に振られて、こんなに落ち込んでいるのに
大翔は普通通り。
あたしのことが好きだったなら、別れたなら
もっと落ち込んでると思ってた。
「陽花?大丈夫?」
紗綾が心配して聞いてきてくれる。
ホントは大丈夫じゃないけれど、
心配させたくなくて
「ん?大丈夫だよ。ありがと。」
って無理に笑った。
顔が引きつる。
悔しいわけでもなく、悲しいわけでもない
なんだろう、この気持ち。
そんなことを考えていると、先生が教室に入ってきた。