もう一度、君に・・・
「全員揃ったな。それじゃあ、今日のホームルームは
来週に迫った勉強合宿のグループを決めるぞ」
みんな、露骨に嫌な顔をした。
だって、勉強合宿はずーっと勉強してるだけの合宿。
だけど、合宿所のおばちゃんの作るコロッケは最高にうまい。
あたしはそれが楽しみ。
「陽花~。紗綾~。一緒にやろう?」
藍香が声をかけてきた。
『いいよ~』
あたしと紗綾は同時に返事をした。
グループは6人1グループだから、
男子も入れなければならない。
だからうちらのグループと仲が良い、
吉田樹利(よしだじゅり)
早瀬郁十(はやせいくと)と一緒になった。
だけど、一人足りない。
でも、余ってる人がいない・・・
すると、あたしの後ろからハスキーな声がした。
「俺、入れろ」
はあ?なんでそんなに上から目線?
「ダメに決まって・・・」
あたしの言葉を遮り、藍香と紗綾が
「どうぞ!!」
って言ってしまった。
しかも、
「お~、樹利、郁十!久しぶり」
なんて、なぜか呼び捨てにしている。
今日、転校してきたばかりなのに、
なんで馴染んでるの?