もう一度、君に・・・
かなりの時間走ってから、立ち止ると、
堪えていた涙が一気に流れ出した。
「・・・うッ・・うわああああ~ん・・・」
なんで?
あたし、いい彼女だったよね?
束縛もしなかったし、
しつこくもなかったよ?
心にぽっかり穴が開いたみたいな孤独感におそわれた。
何も考えられない、何も感じない。
あたしの感情が一瞬にしてなくなってしまった
あたしが、動けずに立ち止まっていると
後ろから、声がした。
「どうかしました?
具合が悪いんですか?」
あたしはその声に反応し、
顔を上げた。
そこには、背の高い、
同い年ぐらいの男が立っていた。
その男はあたしの顔を見て、
「え!? どうしたんですか?
どうしよう・・・ 歩けますか?」
すごく困ったように、
あたしを気遣いながらそっと話しかけてくる。