FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
玄関の方から勢いよく扉が開く音が響いた。
「今度は何っ……」
驚く暇も無く、風が舞い込んできた。吹き飛ばされるくらいの強風である。
「きゃあああっ!」
キッチンに置いてあった鍋やフライパン、調味料など、軽いものは風に飛ばされ、物凄い勢いで飛び交う。
頭を抱えて座り込む聖のすぐ隣で、ゴーン、ととても良い音が響いた。
「──そっ、蒼馬っ……」
その音は、蒼馬の顔面にフライパンが直撃した音だった。蒼馬はそのまま後ろに引っくり返る。
(こ、この風は……)
「すっ、すまんっ、これは私だっ……!」
物がぶつかる音に紛れて、真吏のそう叫ぶ声がした。
(やっぱり……)
風は〝増長天”の操ることの出来る力だ。しかし、蓮と同じくうまく制御することが出来ないらしい。──ついに、食器棚まで倒れた。
「──もおっ! いい加減にしてー!!!」
紅葉が叫ぶと、ピタ、と風は止んだ。飛び交っていたものがいきなり止まり、水と共に上から降ってきた。
ガコン、ゴツン、と固いものが頭を直撃。最後に冷たい水を浴びて全員の髪から水が滴った。
それが落ち着くと、辺りは静けさを取り戻した。
「今度は何っ……」
驚く暇も無く、風が舞い込んできた。吹き飛ばされるくらいの強風である。
「きゃあああっ!」
キッチンに置いてあった鍋やフライパン、調味料など、軽いものは風に飛ばされ、物凄い勢いで飛び交う。
頭を抱えて座り込む聖のすぐ隣で、ゴーン、ととても良い音が響いた。
「──そっ、蒼馬っ……」
その音は、蒼馬の顔面にフライパンが直撃した音だった。蒼馬はそのまま後ろに引っくり返る。
(こ、この風は……)
「すっ、すまんっ、これは私だっ……!」
物がぶつかる音に紛れて、真吏のそう叫ぶ声がした。
(やっぱり……)
風は〝増長天”の操ることの出来る力だ。しかし、蓮と同じくうまく制御することが出来ないらしい。──ついに、食器棚まで倒れた。
「──もおっ! いい加減にしてー!!!」
紅葉が叫ぶと、ピタ、と風は止んだ。飛び交っていたものがいきなり止まり、水と共に上から降ってきた。
ガコン、ゴツン、と固いものが頭を直撃。最後に冷たい水を浴びて全員の髪から水が滴った。
それが落ち着くと、辺りは静けさを取り戻した。