FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「えっ? ああ、うん……」
「ありがとうございます!」
李苑は礼を言い、聖の隣に座る。
ただそれだけのことなのに。妙に居心地が悪い。
初めて逢った時の一件のせいか、李苑のことはどうも苦手だ。隣にいられると落ち着かない。
この胸のざわつきを気付かれはしないだろうかと不安になる時もあるが、李苑は完全に力をコントロール出来るようになったらしく、もう人の心は聞こえないようだった。
今も、落ち着かなくてそわそわしている聖にはまったく気付きもせず、真剣に参考書とにらめっこしながら聖の解説を聞いている。
「あっ、聖、俺も教えて!」
聖たちが勉強会をしているのに気付いた蓮がそう声をかけてくる。
「うん、いいよ」
頷くと、蓮はすぐにやってきて、聖の正面の椅子に座った。
「蒼馬は良いのか」
真吏に言われると、蒼馬はしぶしぶ立ち上がった。
「やります~。やらないと危ねえもん……」
皆真面目だなあ、と呟きながら、蒼馬もやってきた。
聖は李苑と2人きりでなくなったことに、どこかホッとしていた。彼女のことが嫌いなわけではないのだが……。
「受験生は大変ね」
紅葉は李苑に貰ったウーロン茶をコクリと一口飲んだ。
「ああ……。大変なようだな」
真吏はパソコンのモニターを睨みつけながら言う。紅葉はその画面を覗き込んだが……。訳の分からない数字やグラフが並んでいたのですぐに目を離した。
「ありがとうございます!」
李苑は礼を言い、聖の隣に座る。
ただそれだけのことなのに。妙に居心地が悪い。
初めて逢った時の一件のせいか、李苑のことはどうも苦手だ。隣にいられると落ち着かない。
この胸のざわつきを気付かれはしないだろうかと不安になる時もあるが、李苑は完全に力をコントロール出来るようになったらしく、もう人の心は聞こえないようだった。
今も、落ち着かなくてそわそわしている聖にはまったく気付きもせず、真剣に参考書とにらめっこしながら聖の解説を聞いている。
「あっ、聖、俺も教えて!」
聖たちが勉強会をしているのに気付いた蓮がそう声をかけてくる。
「うん、いいよ」
頷くと、蓮はすぐにやってきて、聖の正面の椅子に座った。
「蒼馬は良いのか」
真吏に言われると、蒼馬はしぶしぶ立ち上がった。
「やります~。やらないと危ねえもん……」
皆真面目だなあ、と呟きながら、蒼馬もやってきた。
聖は李苑と2人きりでなくなったことに、どこかホッとしていた。彼女のことが嫌いなわけではないのだが……。
「受験生は大変ね」
紅葉は李苑に貰ったウーロン茶をコクリと一口飲んだ。
「ああ……。大変なようだな」
真吏はパソコンのモニターを睨みつけながら言う。紅葉はその画面を覗き込んだが……。訳の分からない数字やグラフが並んでいたのですぐに目を離した。