FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「大会社のご子息っていうのも大変そうね」
「ふむ……。そのように感じたこともあるが、やってみればそれなりに楽しいものだ」
「ふうん」
真吏の言葉に紅葉はもう一度モニターを眺めてみた。しかしやはり理解不能だったので、溜息をつきながら顔を離した。
退屈になってしまった紅葉は、ソファから立ち上がる。
「ちょっと散歩にでも行ってくるわ」
と、陽が沈みかけた外へ出かけていく。
しばらくして。
真吏はノートパソコンをたたむと、橙に染まる窓の外を見て立ち上がった。
「このような時分に婦女子が一人歩きなど危険だ。ちょっと行ってくる」
聖たちにそう声をかけ、紅葉を追って外へ出て行った。
「……真吏って、優しいよね」
そう言う蓮に、蒼馬は意義ありげな視線を向けた。
「だって、自分の仕事中断して紅葉心配して行ったでしょ? 紅葉なら一人でも平気そうなのにって、俺、思っちゃうもん」
「まあ、なあ……」
蒼馬は、それなら自分にも優しくして欲しいものだ……と口を尖らせた。
それから5分ほど、4人は真面目に勉強していた。というよりは、蒼馬にやり方を教えていた、と言った方が正しい。
「ああ~! 分かった! やっと分かった~!」
蒼馬がガッツポーズをしながらスラスラと答えを埋めていく。教えていた聖も、やっと理解してもらえた、と安堵の表情を見せる。
一緒に教えていた李苑と蓮も、笑顔で頷いた。
「ふむ……。そのように感じたこともあるが、やってみればそれなりに楽しいものだ」
「ふうん」
真吏の言葉に紅葉はもう一度モニターを眺めてみた。しかしやはり理解不能だったので、溜息をつきながら顔を離した。
退屈になってしまった紅葉は、ソファから立ち上がる。
「ちょっと散歩にでも行ってくるわ」
と、陽が沈みかけた外へ出かけていく。
しばらくして。
真吏はノートパソコンをたたむと、橙に染まる窓の外を見て立ち上がった。
「このような時分に婦女子が一人歩きなど危険だ。ちょっと行ってくる」
聖たちにそう声をかけ、紅葉を追って外へ出て行った。
「……真吏って、優しいよね」
そう言う蓮に、蒼馬は意義ありげな視線を向けた。
「だって、自分の仕事中断して紅葉心配して行ったでしょ? 紅葉なら一人でも平気そうなのにって、俺、思っちゃうもん」
「まあ、なあ……」
蒼馬は、それなら自分にも優しくして欲しいものだ……と口を尖らせた。
それから5分ほど、4人は真面目に勉強していた。というよりは、蒼馬にやり方を教えていた、と言った方が正しい。
「ああ~! 分かった! やっと分かった~!」
蒼馬がガッツポーズをしながらスラスラと答えを埋めていく。教えていた聖も、やっと理解してもらえた、と安堵の表情を見せる。
一緒に教えていた李苑と蓮も、笑顔で頷いた。