FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「よ~し、次だ次~!」
と、やる気の出てきた蒼馬であったが。
ピリリと肌を刺激する気配にハッとして、顔を上げた。同様に、聖達も窓の向こうに顔を向けた。
「この、感じ……」
以前にも感じた事のある、嫌な空気は。
「ファリアです!」
李苑が叫ぶのと同時に、聖は外へと飛び出していった。それに皆続く。
外には紅葉達がいるはずだ。何事も起きていなければいいのだが……。
紅葉が1人で歩いていると、ざわり、と空気が嫌な振動をした。
「……この気配は」
紅葉は身構えた。
僅かに首を動かし、気配を辿る。
受け継いだ家業により、悪しき者と対峙するのは慣れてはいたが──まるでレベルの違う禍々しい〝気”には、酷く緊張させられた。心臓の動きが早まる。
ドクン、ドクンと鳴る心臓の音を鎮めようと深呼吸を繰り返していると。
何かが、耳のすぐ脇を掠めていった。
反射的に手を出し、それを掴み取る。
途端に、手のひらに焼けるような痛みが走った。ジュウウ、と音を立てる手のひらをそっと開く。そこには、緋色に輝く小さな玉が輝いていた。
「……やっぱり、ファリアなのね」
仲間であるはずのファリア。その少女が何故このように攻めてくるのか──。その疑問が一瞬の迷いを生み出す。
辺りの景色がサッと変わる。
日が傾き、橙の色をしていた空から、漆黒の闇へ。いくつもの星が瞬く、宇宙の中へ。
「──しまっ……」
体がバランスを失う。
その深く、暗い海に吸い込まれていく──。
と、やる気の出てきた蒼馬であったが。
ピリリと肌を刺激する気配にハッとして、顔を上げた。同様に、聖達も窓の向こうに顔を向けた。
「この、感じ……」
以前にも感じた事のある、嫌な空気は。
「ファリアです!」
李苑が叫ぶのと同時に、聖は外へと飛び出していった。それに皆続く。
外には紅葉達がいるはずだ。何事も起きていなければいいのだが……。
紅葉が1人で歩いていると、ざわり、と空気が嫌な振動をした。
「……この気配は」
紅葉は身構えた。
僅かに首を動かし、気配を辿る。
受け継いだ家業により、悪しき者と対峙するのは慣れてはいたが──まるでレベルの違う禍々しい〝気”には、酷く緊張させられた。心臓の動きが早まる。
ドクン、ドクンと鳴る心臓の音を鎮めようと深呼吸を繰り返していると。
何かが、耳のすぐ脇を掠めていった。
反射的に手を出し、それを掴み取る。
途端に、手のひらに焼けるような痛みが走った。ジュウウ、と音を立てる手のひらをそっと開く。そこには、緋色に輝く小さな玉が輝いていた。
「……やっぱり、ファリアなのね」
仲間であるはずのファリア。その少女が何故このように攻めてくるのか──。その疑問が一瞬の迷いを生み出す。
辺りの景色がサッと変わる。
日が傾き、橙の色をしていた空から、漆黒の闇へ。いくつもの星が瞬く、宇宙の中へ。
「──しまっ……」
体がバランスを失う。
その深く、暗い海に吸い込まれていく──。