FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「初めての実戦か。……演習通りに出来ると良いのだが」
不安を口にしてもなお、自信に満ち溢れているかのような口調の真吏を、紅葉は頼もしく感じた。
「大丈夫でしょう、真吏なら」
実際、剣道やフェンシングの有段者である真吏が一番飲み込みが早く、動きも良かった。現時点で一番頼りになるのは彼だろう。
「とりあえず、あの子は捕まえないと」
「承知した」
紅葉、真吏はそれぞれの武器を構え、ファリアの生まれ変わりの少女を見据えた。
別荘を飛び出した4人を待ち受けていたのは、こげ茶の鎧を身に着けた化け物だった。
獣のような顔をし、体は狼のような短い毛に覆われている。皆、この者達を見たことがある──。遠い昔、自分が違う者であった頃に。
「妖魔……だよね」
ゴクッっと唾を飲み込み、蓮が言った。
「多分……」
自信なさそうに蒼馬は答える。そう会話する間にも、妖魔は鎧をガシャン、ガシャンと鳴らし近づいてきた。
李苑は両手を組んで息を呑む。それを見た聖は、剣を手にし、前に出た。
「やるしかないだろ」
「……おおよ!」
蒼馬も李苑の前に出る。蓮は後方から近づいてくる妖魔の方を向いた。
謀らずともそれは李苑を取り囲んで彼女を守る態勢となった。か弱き者を守るという意志が無意識に出たのである。
不安を口にしてもなお、自信に満ち溢れているかのような口調の真吏を、紅葉は頼もしく感じた。
「大丈夫でしょう、真吏なら」
実際、剣道やフェンシングの有段者である真吏が一番飲み込みが早く、動きも良かった。現時点で一番頼りになるのは彼だろう。
「とりあえず、あの子は捕まえないと」
「承知した」
紅葉、真吏はそれぞれの武器を構え、ファリアの生まれ変わりの少女を見据えた。
別荘を飛び出した4人を待ち受けていたのは、こげ茶の鎧を身に着けた化け物だった。
獣のような顔をし、体は狼のような短い毛に覆われている。皆、この者達を見たことがある──。遠い昔、自分が違う者であった頃に。
「妖魔……だよね」
ゴクッっと唾を飲み込み、蓮が言った。
「多分……」
自信なさそうに蒼馬は答える。そう会話する間にも、妖魔は鎧をガシャン、ガシャンと鳴らし近づいてきた。
李苑は両手を組んで息を呑む。それを見た聖は、剣を手にし、前に出た。
「やるしかないだろ」
「……おおよ!」
蒼馬も李苑の前に出る。蓮は後方から近づいてくる妖魔の方を向いた。
謀らずともそれは李苑を取り囲んで彼女を守る態勢となった。か弱き者を守るという意志が無意識に出たのである。