FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「いっくぞお~!!」
 
蒼馬の叫びと同時に、聖、蓮も前に飛び出した。
 
体が震えてしまいそうなくらい緊張はしていた。けれど、それを振り払うように剣を振った。
 
ザッ!
 
妖魔を掠めた感触。
 
もう一度、斬り付ける。
 
ドッ、と重い感触がした。聖は思わず振り下ろした剣の先を見た。
 
嫌な感触だった。
 
今までの演習では感じた事のない、重みのある感触。それは恐らく人を斬るのと同じもので。腹の底から何かが這い上がってくるような、嫌な感じがした。
 
しかしそこで動きを止めることは叶わない。
 
次から次へと妖魔は襲ってきた。

「くそっ……」
 
慣れない実戦に、聖だけでなく蒼馬も蓮も戸惑っていた。うまく体が動かない。
 
そこへ、妖魔の槍が突き出された。

「!」
 
避けようしたが足がもつれた。やられる、と思ったのだが、槍はキン、と音を立てて弾かれた。目の前には透明な壁のようなものが出来ている。

「結界……」
 
それが誰のものであるのか分かり、振り返る。その先には李苑がいた。

「あ、あのっ、大丈夫ですか?」
 
先ほどのように両手を組み、声を震わせてはいるが、結界はしっかりと妖魔を防いでくれていた。
 
蒼馬、蓮も同じように結界で護られている。

「あの……初めてでうまく出来ないかもしれませんけど……精一杯サポートしますから!」

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