FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
どう答えようか迷った。
自分も不安だと、伝えようか? しかしそれでは蒼馬をますます不安にさせるのかもしれない。
結局、曖昧に頷く事しか出来なかった。
蒼馬は聖の気持ちを察したらしく、軽く笑って肩を叩いた。そして、車に乗り込む。
(もっと、強くなれたら)
力だけではない。
こんな時でも、友人を励ます位の強い心があったなら……。
ギュッと拳を握り締め、聖も車に乗り込んだ。
暗雲に覆われた首都圏では、紅葉達と同じ力を持つ『術者』が集まり、地上を護る為の『結界』を張った。
それにより、吹き荒れていた強風は収まり、人々を襲っていた化け物も消え去った。
だが、停電した街は暗闇に包まれたままで、人々は何が起きているのか分からない恐怖に、ただ逃げ惑う。
「邪空間そのものが、大きな負のエネルギーを持っているの。人である『術者』では、完全に抑え切れないのね。いつまで持ち堪えられるか分からないから、出来るだけ早く来て欲しいそうよ」
紅葉の説明に、誰一人声を上げる者はいなかった。
ただ黙って、説明を聞く。
「……大丈夫?」
皆の強張った顔に、紅葉は心配になる。
「そうだな。大分緊張はしている」
淡々とした口調で、真吏が言った。その台詞に、隣に座っていた李苑が驚く。
「真吏くんでも緊張するんですか?」
真吏はただ座っているだけで自信に満ち溢れているように見えるのだ。その彼が緊張するなど考えられなかったのだろう。
自分も不安だと、伝えようか? しかしそれでは蒼馬をますます不安にさせるのかもしれない。
結局、曖昧に頷く事しか出来なかった。
蒼馬は聖の気持ちを察したらしく、軽く笑って肩を叩いた。そして、車に乗り込む。
(もっと、強くなれたら)
力だけではない。
こんな時でも、友人を励ます位の強い心があったなら……。
ギュッと拳を握り締め、聖も車に乗り込んだ。
暗雲に覆われた首都圏では、紅葉達と同じ力を持つ『術者』が集まり、地上を護る為の『結界』を張った。
それにより、吹き荒れていた強風は収まり、人々を襲っていた化け物も消え去った。
だが、停電した街は暗闇に包まれたままで、人々は何が起きているのか分からない恐怖に、ただ逃げ惑う。
「邪空間そのものが、大きな負のエネルギーを持っているの。人である『術者』では、完全に抑え切れないのね。いつまで持ち堪えられるか分からないから、出来るだけ早く来て欲しいそうよ」
紅葉の説明に、誰一人声を上げる者はいなかった。
ただ黙って、説明を聞く。
「……大丈夫?」
皆の強張った顔に、紅葉は心配になる。
「そうだな。大分緊張はしている」
淡々とした口調で、真吏が言った。その台詞に、隣に座っていた李苑が驚く。
「真吏くんでも緊張するんですか?」
真吏はただ座っているだけで自信に満ち溢れているように見えるのだ。その彼が緊張するなど考えられなかったのだろう。