FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「……何だか吹っ切れたみたいね」
蒼馬の様子に、紅葉が安堵の溜息をつく。
「さあ、あたしたちも行きましょう!」
と、紅葉も高速道路から飛び降りようとした時。
緩やかにカーブする道路の向こうから、妖魔の群れがゆっくりと近づいてきていた。二車線ある道幅を埋め尽くす大群だ。
一瞬、皆構えたが、遠くに見えるビルの隙間から、ドオン、と激しい音がして煙が上がるのが微かに見えた。
「あそこにも人がいるみたいです!」
粉塵の上がる方向を見て、李苑が言う。
「結界は張ってあるはずなのに、妖魔がこれだけ入り込んでいるなんて……!」
先程の圭一郎からの情報との違いに、紅葉はギリッと唇を噛んだ後、すぐに顔を上げた。
「蓮、あんたは蒼馬の援護! 聖と李苑ちゃんはあの煙が上がってるとこに! 真吏はあたしと向こうの方へ。いい? ああいうのは相手にしない!」
と、ゆっくり向かってくる妖魔の大群を指差す。
「あくまで、襲われている人々を助けるだけにして。後は逃げる事。後は……そうね、待ち合わせ場所。一番分かりやすいって言ったら……」
紅葉はキョロキョロと目を動かした後、こう言った。
「東京タワーね! それなら分かるでしょ!」
「ああ」
「見えない時はビルにでも登って見つけなさい。2時間以内に集合。いいわね?」
「分かった」
蒼馬の様子に、紅葉が安堵の溜息をつく。
「さあ、あたしたちも行きましょう!」
と、紅葉も高速道路から飛び降りようとした時。
緩やかにカーブする道路の向こうから、妖魔の群れがゆっくりと近づいてきていた。二車線ある道幅を埋め尽くす大群だ。
一瞬、皆構えたが、遠くに見えるビルの隙間から、ドオン、と激しい音がして煙が上がるのが微かに見えた。
「あそこにも人がいるみたいです!」
粉塵の上がる方向を見て、李苑が言う。
「結界は張ってあるはずなのに、妖魔がこれだけ入り込んでいるなんて……!」
先程の圭一郎からの情報との違いに、紅葉はギリッと唇を噛んだ後、すぐに顔を上げた。
「蓮、あんたは蒼馬の援護! 聖と李苑ちゃんはあの煙が上がってるとこに! 真吏はあたしと向こうの方へ。いい? ああいうのは相手にしない!」
と、ゆっくり向かってくる妖魔の大群を指差す。
「あくまで、襲われている人々を助けるだけにして。後は逃げる事。後は……そうね、待ち合わせ場所。一番分かりやすいって言ったら……」
紅葉はキョロキョロと目を動かした後、こう言った。
「東京タワーね! それなら分かるでしょ!」
「ああ」
「見えない時はビルにでも登って見つけなさい。2時間以内に集合。いいわね?」
「分かった」