FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
蒼馬との勉強会を終え家に戻ってくると、沙都美の明るい声が飛んできた。
「お帰り、お兄ちゃん」
その笑顔を前に、声が出なかった。
……何故、沙都美がここにいるのだろう? そんな疑問が頭を過ぎった。
「お兄ちゃん?」
そんな聖を見て、不思議そうに首を傾げる沙都美。
「あ、ああ、ただいま……」
「何ボーッとしてんの~? 暑さでおかしくなったあ?」
悪戯っぽい笑顔でそう言う沙都美。
いつもと変わらない妹。
いつもと同じ……はずだ。
でも。
「沙都美」
「何?」
「ここに……いたんだっけ?」
聖の質問に、沙都美はきょとんとする。
「何言ってんの、お兄ちゃん?」
「……何言ってんだろうな」
聖も自分で何を言っているのか解らない。けれど何かしっくりこないのだ。何かが違うような気がして……。
夕飯までには父親も帰って来た。ニコニコと優しく笑う父親に、戸惑いを感じずにはいられなかった。
「どうかしたのか、聖」
気遣わしげな優しい声が、かえって異様な雰囲気を助長させた。
(そうだ……。そうだよな……)
聖は自嘲気味に笑った。
これは確かに、“夢の中”だ。
「お帰り、お兄ちゃん」
その笑顔を前に、声が出なかった。
……何故、沙都美がここにいるのだろう? そんな疑問が頭を過ぎった。
「お兄ちゃん?」
そんな聖を見て、不思議そうに首を傾げる沙都美。
「あ、ああ、ただいま……」
「何ボーッとしてんの~? 暑さでおかしくなったあ?」
悪戯っぽい笑顔でそう言う沙都美。
いつもと変わらない妹。
いつもと同じ……はずだ。
でも。
「沙都美」
「何?」
「ここに……いたんだっけ?」
聖の質問に、沙都美はきょとんとする。
「何言ってんの、お兄ちゃん?」
「……何言ってんだろうな」
聖も自分で何を言っているのか解らない。けれど何かしっくりこないのだ。何かが違うような気がして……。
夕飯までには父親も帰って来た。ニコニコと優しく笑う父親に、戸惑いを感じずにはいられなかった。
「どうかしたのか、聖」
気遣わしげな優しい声が、かえって異様な雰囲気を助長させた。
(そうだ……。そうだよな……)
聖は自嘲気味に笑った。
これは確かに、“夢の中”だ。