FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「何だ、これは……!」
その小さな痛みに身体が蝕まれていきそうだ。
その不快感を振り払うように、剣を振る。
「貴様、私に何をした!」
ヒュッと剣が空を斬り、李苑の頬には一筋赤い線が出来た。
「貴女はヴァジュラに利用されているんです! 貴女の悲しい過去を」
「黙れ!」
剣は李苑の喉元を狙ってくる。それを避けた李苑は横に転がった。
「ヴァジュラ様を冒涜することは許さない!」
ファリアの瞳が赤く光る。
李苑の背中にゾクリと悪寒が走った。
「死ね!」
2本の剣を交差させながら、李苑に突っ込む。
李苑は素早く起き上がると、振り下ろされる2本の剣の軌跡から逃げるように後ろに跳んだ。すぐさま追ってくるファリア。
着地した李苑の後ろには、倒れる聖。
「……お護りすると、約束、しましたからね」
整わない息を無理に止め、手を天に翳した。
ヒュウ、と風が手のひらで渦巻き、そこに形が出来上がる。それを掴むと一気に引き抜いた。
リン、と透明な音が響く。
その手に現れたのは2メートル弱の錫杖。
先端にある15センチ程の銀の輪には、同じく銀の小さな輪がいくつかついていて、それが揺れるとリィン、リィンと優しい音が鳴り響いた。
その小さな痛みに身体が蝕まれていきそうだ。
その不快感を振り払うように、剣を振る。
「貴様、私に何をした!」
ヒュッと剣が空を斬り、李苑の頬には一筋赤い線が出来た。
「貴女はヴァジュラに利用されているんです! 貴女の悲しい過去を」
「黙れ!」
剣は李苑の喉元を狙ってくる。それを避けた李苑は横に転がった。
「ヴァジュラ様を冒涜することは許さない!」
ファリアの瞳が赤く光る。
李苑の背中にゾクリと悪寒が走った。
「死ね!」
2本の剣を交差させながら、李苑に突っ込む。
李苑は素早く起き上がると、振り下ろされる2本の剣の軌跡から逃げるように後ろに跳んだ。すぐさま追ってくるファリア。
着地した李苑の後ろには、倒れる聖。
「……お護りすると、約束、しましたからね」
整わない息を無理に止め、手を天に翳した。
ヒュウ、と風が手のひらで渦巻き、そこに形が出来上がる。それを掴むと一気に引き抜いた。
リン、と透明な音が響く。
その手に現れたのは2メートル弱の錫杖。
先端にある15センチ程の銀の輪には、同じく銀の小さな輪がいくつかついていて、それが揺れるとリィン、リィンと優しい音が鳴り響いた。