FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
聖、真吏はすぐに目を覚ました。
李苑は眠ったままだが、それは幻惑や怪我のせいではなく、身体の疲労のためのようだ。
しかし。
蓮の傷は幻惑が解けても消える事はなかった。今も左下腹部からはドクドクと血が流れ続けている。
「蓮……!」
それを見た聖は体を硬直させた。──先程の幻惑が、瞬時に蘇る。
「紅葉、一旦ここから離れよう。蓮を安全な場所へ」
真吏が素早く蓮を抱き上げる。
「……え、ええ、そうね」
紅葉は大きく息を吐き出した後、立ち上がった。
「圭一郎さんのところまで案内するわ。ついてきて」
言うなり、高くジャンプして遥か向こうのビルを飛び越えた。
「聖、蒼馬、そちらは頼む」
真吏はそう言って、紅葉の後を追う。
「おおよ! セイ、李苑ちゃん頼むな!」
蒼馬はそう言い、力なく突っ立っている十夜の腕を掴んだ。
「一緒に来いよ」
「あ、ああ……」
十夜はそう言うが、一歩足を踏み出しただけでガクッと膝を折った。どうやら力を使いすぎたため、体が動かないようだ。
「んもー、しっかりしろよ!」
蓮のことで苛立っているためか、十夜に優しく出来ない蒼馬。強めに腕を掴むと、真吏の後を追ってジャンプした。
李苑は眠ったままだが、それは幻惑や怪我のせいではなく、身体の疲労のためのようだ。
しかし。
蓮の傷は幻惑が解けても消える事はなかった。今も左下腹部からはドクドクと血が流れ続けている。
「蓮……!」
それを見た聖は体を硬直させた。──先程の幻惑が、瞬時に蘇る。
「紅葉、一旦ここから離れよう。蓮を安全な場所へ」
真吏が素早く蓮を抱き上げる。
「……え、ええ、そうね」
紅葉は大きく息を吐き出した後、立ち上がった。
「圭一郎さんのところまで案内するわ。ついてきて」
言うなり、高くジャンプして遥か向こうのビルを飛び越えた。
「聖、蒼馬、そちらは頼む」
真吏はそう言って、紅葉の後を追う。
「おおよ! セイ、李苑ちゃん頼むな!」
蒼馬はそう言い、力なく突っ立っている十夜の腕を掴んだ。
「一緒に来いよ」
「あ、ああ……」
十夜はそう言うが、一歩足を踏み出しただけでガクッと膝を折った。どうやら力を使いすぎたため、体が動かないようだ。
「んもー、しっかりしろよ!」
蓮のことで苛立っているためか、十夜に優しく出来ない蒼馬。強めに腕を掴むと、真吏の後を追ってジャンプした。