FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
顔を上げると、蒼馬が十夜とともに近くのビルの上から聖たちを見下ろしていた。
「早くしろってば!」
「……ごめん」
小さく頷くと、そっと李苑を抱き上げた。
青白い李苑の顔。そこに血まみれの彼女の顔が重なった。
肩を抱く手に、力が入る。
圭一郎の住む和泉神社は、都心から僅かに離れたところに位置していた。
邪空間の影響は少なからず受けているようだが、術者達の待避所として機能しているためか、他の場所よりは清浄な空気に包まれていた。
何人もの負傷者が神社の境内にひしめいている。
その中に紅葉たちも入っていった。
「紅葉さん!」
すぐに圭一郎が駆けつけてくる。
「圭一郎さん、蓮が……!」
「分かっています。こちらに!」
圭一郎はすぐに自宅の方へ案内してくれた。そこも負傷者でいっぱいだ。どうやら妖魔と直接戦った者達のようだ。
野戦病院のような凄まじい光景に目を奪われていると、一人の女性がやってきた。
「待たせたわね、飛高さん」
「真秀さん」
「蓮くんね。すぐに手当てします、そこに寝かせて」
「早くしろってば!」
「……ごめん」
小さく頷くと、そっと李苑を抱き上げた。
青白い李苑の顔。そこに血まみれの彼女の顔が重なった。
肩を抱く手に、力が入る。
圭一郎の住む和泉神社は、都心から僅かに離れたところに位置していた。
邪空間の影響は少なからず受けているようだが、術者達の待避所として機能しているためか、他の場所よりは清浄な空気に包まれていた。
何人もの負傷者が神社の境内にひしめいている。
その中に紅葉たちも入っていった。
「紅葉さん!」
すぐに圭一郎が駆けつけてくる。
「圭一郎さん、蓮が……!」
「分かっています。こちらに!」
圭一郎はすぐに自宅の方へ案内してくれた。そこも負傷者でいっぱいだ。どうやら妖魔と直接戦った者達のようだ。
野戦病院のような凄まじい光景に目を奪われていると、一人の女性がやってきた。
「待たせたわね、飛高さん」
「真秀さん」
「蓮くんね。すぐに手当てします、そこに寝かせて」