FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
(最初の……気持ち)
初めて十夜が攻めてきた時。聖は『別に死んだって構わない』と思っていた。けれど。“生”にしがみ付かせる想いがあった。
「……護りたいものが、あったから」
無意識の内に、そう呟いていた。
そうだ。護りたい人がいたから。だから戦う決意をした。
「一緒ですね」
李苑は微笑む。
「私も、護りたい人がいます。父や、私を育ててくれた人達。友達や、学校の先生、私に関わる、全ての人達を……。だから……戦おうと思いました。あの暗雲から、大切な人を護れる力があるなら」
「……そう、だな」
聖は小さく頷く。
母の静。そして沙都美。聖が一番最初に護りたかったもの。
(でも、今は……)
蒼馬、真吏、蓮、紅葉……そして、きっとこれから大切な仲間になる十夜も。
(李苑も)
今、こうして目の前にいる華奢な少女も。
みんな──護りたい。
(未来を決めるのは、自分自身……)
聖は、心が軽くなるのを感じた。
そうさせてくれた目の前の少女に向かって、笑いかける。
「ありがとう……」
李苑は小さく首を振り、そして微笑んだ。
その優しい微笑みに、何か、胸の奥から湧き上がるあたたかな感情を覚えた。それは一気に膨れ上がって、全身を包み込んだ。
初めて十夜が攻めてきた時。聖は『別に死んだって構わない』と思っていた。けれど。“生”にしがみ付かせる想いがあった。
「……護りたいものが、あったから」
無意識の内に、そう呟いていた。
そうだ。護りたい人がいたから。だから戦う決意をした。
「一緒ですね」
李苑は微笑む。
「私も、護りたい人がいます。父や、私を育ててくれた人達。友達や、学校の先生、私に関わる、全ての人達を……。だから……戦おうと思いました。あの暗雲から、大切な人を護れる力があるなら」
「……そう、だな」
聖は小さく頷く。
母の静。そして沙都美。聖が一番最初に護りたかったもの。
(でも、今は……)
蒼馬、真吏、蓮、紅葉……そして、きっとこれから大切な仲間になる十夜も。
(李苑も)
今、こうして目の前にいる華奢な少女も。
みんな──護りたい。
(未来を決めるのは、自分自身……)
聖は、心が軽くなるのを感じた。
そうさせてくれた目の前の少女に向かって、笑いかける。
「ありがとう……」
李苑は小さく首を振り、そして微笑んだ。
その優しい微笑みに、何か、胸の奥から湧き上がるあたたかな感情を覚えた。それは一気に膨れ上がって、全身を包み込んだ。