FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
何のことだろう。
聖が考えていると、阿修羅王は声を出して笑った。
「はははは、二千年も前のことだ。忘れてしまっても無理はない。ならば、思い出させてやろう」
トン、と軽く地面を蹴ると、次の瞬間には聖の目の前にいた。
「──!」
あまりに突然の出来事に頭が回らない。しかし体は危機を回避しようと反応した。
繰り出される剣の軌跡を避けるよう出した両手に、素早く剣が現れる。
ガキッと鈍い音がし、双方の剣がぶつかる。向かってきた勢いのまま、聖は後ろに吹っ飛ばされた。それを追う阿修羅王。
「セイ!」
「聖!」
全員が聖と阿修羅王を追いかけようとした。だが、夜叉王と羅刹王が立ちふさがる。
「邪魔はさせん」
「邪魔って……何の!」
夜叉王は空中から剣を引き抜きながら応えた。
「……約束だ」
飛ばされた聖は、背後に大きなビルがあることを感じた。このままぶつかったらタダでは済まない。体の周りに結界を張る。そこに突っ込んでくる阿修羅王。
「改めて申し込む。私と決闘しろ、毘沙門天ティージェ!」
剣が振られると、空気がグワッと音を立て、聖にぶつかってきた。
結界が弾き飛ばされる。
生身の体のままコンクリートの壁を突き破った。
その衝撃で崩れる建物。その下敷きになる──。
聖が考えていると、阿修羅王は声を出して笑った。
「はははは、二千年も前のことだ。忘れてしまっても無理はない。ならば、思い出させてやろう」
トン、と軽く地面を蹴ると、次の瞬間には聖の目の前にいた。
「──!」
あまりに突然の出来事に頭が回らない。しかし体は危機を回避しようと反応した。
繰り出される剣の軌跡を避けるよう出した両手に、素早く剣が現れる。
ガキッと鈍い音がし、双方の剣がぶつかる。向かってきた勢いのまま、聖は後ろに吹っ飛ばされた。それを追う阿修羅王。
「セイ!」
「聖!」
全員が聖と阿修羅王を追いかけようとした。だが、夜叉王と羅刹王が立ちふさがる。
「邪魔はさせん」
「邪魔って……何の!」
夜叉王は空中から剣を引き抜きながら応えた。
「……約束だ」
飛ばされた聖は、背後に大きなビルがあることを感じた。このままぶつかったらタダでは済まない。体の周りに結界を張る。そこに突っ込んでくる阿修羅王。
「改めて申し込む。私と決闘しろ、毘沙門天ティージェ!」
剣が振られると、空気がグワッと音を立て、聖にぶつかってきた。
結界が弾き飛ばされる。
生身の体のままコンクリートの壁を突き破った。
その衝撃で崩れる建物。その下敷きになる──。