FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「まだまだあっ!」
崩れてくる瓦礫の中、阿修羅王に腕を捕まれ、空に放り投げられる。
「これしきのことで参るんじゃないよ!」
崩れてくる瓦礫を足がかりに空へ跳ぶ阿修羅王。
宙を落下してくる聖に下から剣を突き出した。それを視界の端で捕らえた聖は、身をよじりそれをかわした。
だがすぐに別方向から剣が襲い掛かる。
「くっ……」
何とか剣を繰り出すが、スピードが追いつかない。そのまままた弾き飛ばされる。
宙で体勢を整え、足裏でアスファルトを削りながら下に着地する。そこでガックリと跪いた。
背中が燃えるように痛い。徐々に手が痺れてきて、剣を掴んでいられなくなった。カラン、と落ちた剣は一旦大気中へと還る。
トン、と軽い音がした。
阿修羅王がすぐ近くに降り立つ。
「フン……やはり人間では毘沙門天の力は引き出せんか。つまらん」
「……っ」
いきなり現れ、いきなり攻撃され、挙句にこんなことを言われては腹が立つ。
「何、をしに来たんだ」
ゴホッとひとつ咳を吐き出し、阿修羅王を睨みつける。
「言っただろう。決闘をしにきたんだ。『勝ち逃げは許さない。もう一度決闘を申し込む』。そう二千年前に言ったはずだ」
「そ、そんな覚えは……」
あるような……ないような。
しかし、本当にそれだけで人間界へ来たというのか? 天界の神が、天を捨ててまで。
崩れてくる瓦礫の中、阿修羅王に腕を捕まれ、空に放り投げられる。
「これしきのことで参るんじゃないよ!」
崩れてくる瓦礫を足がかりに空へ跳ぶ阿修羅王。
宙を落下してくる聖に下から剣を突き出した。それを視界の端で捕らえた聖は、身をよじりそれをかわした。
だがすぐに別方向から剣が襲い掛かる。
「くっ……」
何とか剣を繰り出すが、スピードが追いつかない。そのまままた弾き飛ばされる。
宙で体勢を整え、足裏でアスファルトを削りながら下に着地する。そこでガックリと跪いた。
背中が燃えるように痛い。徐々に手が痺れてきて、剣を掴んでいられなくなった。カラン、と落ちた剣は一旦大気中へと還る。
トン、と軽い音がした。
阿修羅王がすぐ近くに降り立つ。
「フン……やはり人間では毘沙門天の力は引き出せんか。つまらん」
「……っ」
いきなり現れ、いきなり攻撃され、挙句にこんなことを言われては腹が立つ。
「何、をしに来たんだ」
ゴホッとひとつ咳を吐き出し、阿修羅王を睨みつける。
「言っただろう。決闘をしにきたんだ。『勝ち逃げは許さない。もう一度決闘を申し込む』。そう二千年前に言ったはずだ」
「そ、そんな覚えは……」
あるような……ないような。
しかし、本当にそれだけで人間界へ来たというのか? 天界の神が、天を捨ててまで。