FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
そんな聖の考えを見透かしたのか、阿修羅王は長い髪を掻き揚げながら言った。
「この二千年……お前達の魂は人間界に留まったまま天界に還ってこなかった。ヴァジュラとの運命に巻き込まれてしまったからだろうと神々は言う。ではいつになったら還ってくる? ……ずっと待っていた。だが、一向に還ってこない。だから痺れが切れたのだ」
「ちょ、ちょっと待て…」
「毘沙門天と交わした約束は、貴様に果たしてもらおう」
(そんな無茶苦茶な)
筋が通っているようで、しかし無茶苦茶な話だ。
本当にそれだけの理由でここに来たのか? わざわざヴァジュラとの戦闘目前に。
「断るわけにはいかないだろう? お前はこれからヴァジュラを倒さなくてはならないのだから。それまで倒れるわけにはいかないだろう?」
(もう倒れそうだ)
大きく息をつき、心の中で返事する。
今の自分と阿修羅王とでは力に差がありすぎる。だからといって、このまま阿修羅王が退くとは考えられない。
(どう……するかな)
手の痺れが落ち着いてきたので、再び剣を手にする。それを見て阿修羅王はニヤリと笑った。
「そうこなくては」
残された6人の前に立ちふさがる2人の神。
がっしりとした体格に穏やかな目をした夜叉王と、線の細い少年のような体格に、鋭いつり目の羅刹王。対照的な2人だ。
聖がビルに突っ込んだのを見て、6人は声を上げる。
「どいて頂戴!」
紅葉が睨みをきかせても夜叉王は静かに佇むだけ。
「この二千年……お前達の魂は人間界に留まったまま天界に還ってこなかった。ヴァジュラとの運命に巻き込まれてしまったからだろうと神々は言う。ではいつになったら還ってくる? ……ずっと待っていた。だが、一向に還ってこない。だから痺れが切れたのだ」
「ちょ、ちょっと待て…」
「毘沙門天と交わした約束は、貴様に果たしてもらおう」
(そんな無茶苦茶な)
筋が通っているようで、しかし無茶苦茶な話だ。
本当にそれだけの理由でここに来たのか? わざわざヴァジュラとの戦闘目前に。
「断るわけにはいかないだろう? お前はこれからヴァジュラを倒さなくてはならないのだから。それまで倒れるわけにはいかないだろう?」
(もう倒れそうだ)
大きく息をつき、心の中で返事する。
今の自分と阿修羅王とでは力に差がありすぎる。だからといって、このまま阿修羅王が退くとは考えられない。
(どう……するかな)
手の痺れが落ち着いてきたので、再び剣を手にする。それを見て阿修羅王はニヤリと笑った。
「そうこなくては」
残された6人の前に立ちふさがる2人の神。
がっしりとした体格に穏やかな目をした夜叉王と、線の細い少年のような体格に、鋭いつり目の羅刹王。対照的な2人だ。
聖がビルに突っ込んだのを見て、6人は声を上げる。
「どいて頂戴!」
紅葉が睨みをきかせても夜叉王は静かに佇むだけ。