FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
ジャクラの一振りで、真吏は地面に真っ逆さまに落ちていく。
ギリギリで風を呼び、墜落の衝撃は免れた。そこへ李苑が癒しの力を使って受けた傷を治してくれた。
その間に、上空からストッと軽く着地するジャクラ。
「流石だな」
真吏は大きく息を吐きながら言った。
「流石……武神と謳われた毘沙門天ティージェの異母弟<おとうと>」
内心焦りながらも、しかし感心してそう言った。するとジャクラの眉がピクリと釣り上がった。
「いや~な名前、出してくれるじゃねえか……」
真吏達の位置からは見えないが、その額には青筋が浮かぶほど怒りに歪んでいた。
そういえば、ティージェとジャクラの仲は良くなかった。……いや、かなり険悪だった。育った環境のせいもあるのだろうが、原因は別のところにあった。
真吏はチラリと“その原因”を振り返った。
「李苑、少し離れていろ。奴は本気だ。……真意がどこにあるのか解らんが、私達を攻撃しようとしている事だけは確かなようだ」
「でも……!」
李苑が意義を申し立てようとしたところに、ジャクラの怒号が響いた。
「俺の前でその名前を出すな!!」
ジャクラの周りから渦を巻くように巨大な“気”が立ち上がった。
ギリギリで風を呼び、墜落の衝撃は免れた。そこへ李苑が癒しの力を使って受けた傷を治してくれた。
その間に、上空からストッと軽く着地するジャクラ。
「流石だな」
真吏は大きく息を吐きながら言った。
「流石……武神と謳われた毘沙門天ティージェの異母弟<おとうと>」
内心焦りながらも、しかし感心してそう言った。するとジャクラの眉がピクリと釣り上がった。
「いや~な名前、出してくれるじゃねえか……」
真吏達の位置からは見えないが、その額には青筋が浮かぶほど怒りに歪んでいた。
そういえば、ティージェとジャクラの仲は良くなかった。……いや、かなり険悪だった。育った環境のせいもあるのだろうが、原因は別のところにあった。
真吏はチラリと“その原因”を振り返った。
「李苑、少し離れていろ。奴は本気だ。……真意がどこにあるのか解らんが、私達を攻撃しようとしている事だけは確かなようだ」
「でも……!」
李苑が意義を申し立てようとしたところに、ジャクラの怒号が響いた。
「俺の前でその名前を出すな!!」
ジャクラの周りから渦を巻くように巨大な“気”が立ち上がった。