FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「遅い」
阿修羅王が剣を押し返すと、聖の体も後ろによろけた。
「スピードも力も、まだまだ足りない。毘沙門天の力はそんなものではなかった!」
ゴオ、と炎が巻き起こった。
来る。
そう思った。
しかし避けきれるほどの脚力が残っていない。結界を張っても弾き飛ばされる。
ならば。
聖も剣を構えた。
「爆炎煌っ!!」
阿修羅王が剣を振るのと、聖が剣を振るのはほぼ同時だった。両者の丁度真ん中でふたつの炎はぶつかった。
力の差は歴然で、阿修羅王の炎が聖の炎を食い尽し、倍になって襲い掛かってきた。
「くっ……」
振り切った剣を素早く引き戻して構え、結界を張る。しかしやはり簡単に弾け飛んだ。
勢い良く飛ばされる。
聖の体は屋上から真っ逆さまに落ちていった。
(駄目だ……)
何をしても撥ね返される。阿修羅王にさえ勝てない。その先にいるヴァジュラはもっと強いのに。
弱気な考えが一瞬頭を過ぎった。
けれど、それはすぐに消え去る。
阿修羅王が剣を押し返すと、聖の体も後ろによろけた。
「スピードも力も、まだまだ足りない。毘沙門天の力はそんなものではなかった!」
ゴオ、と炎が巻き起こった。
来る。
そう思った。
しかし避けきれるほどの脚力が残っていない。結界を張っても弾き飛ばされる。
ならば。
聖も剣を構えた。
「爆炎煌っ!!」
阿修羅王が剣を振るのと、聖が剣を振るのはほぼ同時だった。両者の丁度真ん中でふたつの炎はぶつかった。
力の差は歴然で、阿修羅王の炎が聖の炎を食い尽し、倍になって襲い掛かってきた。
「くっ……」
振り切った剣を素早く引き戻して構え、結界を張る。しかしやはり簡単に弾け飛んだ。
勢い良く飛ばされる。
聖の体は屋上から真っ逆さまに落ちていった。
(駄目だ……)
何をしても撥ね返される。阿修羅王にさえ勝てない。その先にいるヴァジュラはもっと強いのに。
弱気な考えが一瞬頭を過ぎった。
けれど、それはすぐに消え去る。