FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
抱えられている聖も一緒に膝を折り、地面に手をつく。
その手がガクガクと震えていた。いや、全身が、恐ろしいくらいに震えていた。
今目の前で起こった光景が信じられなくて。信じたくなくて。何度も、何度も頭を振った。
「すまない……。私達の結界では、やはり長くは保たなかった…」
阿修羅王の言葉を、遥か遠くから聞いているように、ぼんやりと耳に入れた。
「ヴァジュラは力を蓄える時間を稼ぐのに摩利支天を使っていた。それが完了して人間界に攻撃を仕掛けてくるところを、何とか防いでみたが……予想以上の力だった。持国天を失わせてしまったな。すまない……」
そう語る阿修羅王をぼんやりと見つめていた聖は、『持国天』という名前に反応した。
「蒼馬……蒼馬!!」
名を叫び、元いたところに駆け出そうとする聖を、腕を掴んで止める。
「もう無理だ。解っているだろう? 運命を共にしてきたお前たちには、今、仲間がどうなっているのか……」
「そんなこと!」
聖の顔が歪む。
「そんな、ことっ……!」
ギュッと握られた拳が震える。
胸の中に、ぽっかりと穴が開いたような喪失感。──解る。否が応でも、はっきりと感じる。蒼馬は、もう、いない……!
「っ……!」
声を上げる事はしなかった。
ただ、滝のように涙が溢れ出てきた。
護れなかった。
蒼馬の運命を変えてやることが出来なかった。その事実があまりにも、重かった。
その手がガクガクと震えていた。いや、全身が、恐ろしいくらいに震えていた。
今目の前で起こった光景が信じられなくて。信じたくなくて。何度も、何度も頭を振った。
「すまない……。私達の結界では、やはり長くは保たなかった…」
阿修羅王の言葉を、遥か遠くから聞いているように、ぼんやりと耳に入れた。
「ヴァジュラは力を蓄える時間を稼ぐのに摩利支天を使っていた。それが完了して人間界に攻撃を仕掛けてくるところを、何とか防いでみたが……予想以上の力だった。持国天を失わせてしまったな。すまない……」
そう語る阿修羅王をぼんやりと見つめていた聖は、『持国天』という名前に反応した。
「蒼馬……蒼馬!!」
名を叫び、元いたところに駆け出そうとする聖を、腕を掴んで止める。
「もう無理だ。解っているだろう? 運命を共にしてきたお前たちには、今、仲間がどうなっているのか……」
「そんなこと!」
聖の顔が歪む。
「そんな、ことっ……!」
ギュッと握られた拳が震える。
胸の中に、ぽっかりと穴が開いたような喪失感。──解る。否が応でも、はっきりと感じる。蒼馬は、もう、いない……!
「っ……!」
声を上げる事はしなかった。
ただ、滝のように涙が溢れ出てきた。
護れなかった。
蒼馬の運命を変えてやることが出来なかった。その事実があまりにも、重かった。