FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
混ざろうとするジャクラは、阿修羅王に止められた。

「お前にはすべきことがある」
 
鋭い視線を向けられ、ジャクラは僅かに固まる。

しばらく睨み合う様に見詰め合っていた阿修羅王とジャクラ。
 
やげて、ジャクラがフッと表情を崩した。

「分かりましたよぉ~」
 
少し拗ねたようにそう言うと、李苑の傍らに立ち、彼女に笑いかけた。

「俺が護ってやる。だから安心しろ」
 
優しく李苑に微笑みかけるジャクラ。

「あ、ありがとうございます……」
 
今の阿修羅王とのやり取りを気にしながら、戸惑い気味に礼を言う李苑。その瞳に未だ溢れそうなくらい溜まっている涙を拭ってやろうと、ジャクラはそっと手を出した。

だが。

ガシッと手を掴まれて、その手は宙に浮いたまま止まった。
 
ジャクラは殺気立ったオーラを噴出して振り返る。

「何の真似だ、ティージェ」
 
ジャクラの手を掴んだのは聖だった。振り返ったジャクラは今にも聖に噛み付きそうな顔である。

「……あれ?」
 
そんなジャクラには気付きもせず、聖は首を傾げた。

「何してんだ、俺……」

「ああ!?」
 
その聖の態度に、ますますジャクラの怒りは強まった。

「何訳分からんまま邪魔してんだテメエ! 殺すぞ!」
 
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