FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
そんな物言いに、聖は。
やはり、訳分からないまま腹を立てた。
言葉には出さなかったものの、しっかりとジャクラを睨みつけてやった。
(こいつ……ティージェとラクシュの間に割って入ろうとしてたよな)
このイラつきは前世の因縁のせいなのだろう。聖はそう思った。
睨み合う2人の間でオロオロしていた李苑は、十夜と紅葉に引っ張られた。
「放っておけ」
「そうね」
2人は李苑の両脇から、そう囁いた。
「……いいんでしょうか」
「いい」
2人はきっぱりと、そう言い切った。
その後ろで、真吏が人知れず溜息をついていた……。
全員で蒼馬へ黙祷を捧げた後。
結界を支える紅葉、阿修羅王、夜叉王を除いた5人は、ヴァジュラとの決戦に向かうため、結界から外に出してもらった。
体の中を薄い膜が通り過ぎたような感覚の後、真っ暗で重い空気の中に出る。
周りには、先程天から降り注いできた触手がいくつも地面に突き刺さっており、暗い密林のようになっていた。
ヴァジュラの気配はやはり、上から──空に浮かぶ邪空間の中から漂っていた。あそこから最初の攻撃を仕掛けてきたのだろう。そして、蒼馬を──。
聖はギリッと奥歯を噛み締めると、激しく天を睨み付けた。
(蒼馬、待ってろ、仇は取ってやる──!)
やはり、訳分からないまま腹を立てた。
言葉には出さなかったものの、しっかりとジャクラを睨みつけてやった。
(こいつ……ティージェとラクシュの間に割って入ろうとしてたよな)
このイラつきは前世の因縁のせいなのだろう。聖はそう思った。
睨み合う2人の間でオロオロしていた李苑は、十夜と紅葉に引っ張られた。
「放っておけ」
「そうね」
2人は李苑の両脇から、そう囁いた。
「……いいんでしょうか」
「いい」
2人はきっぱりと、そう言い切った。
その後ろで、真吏が人知れず溜息をついていた……。
全員で蒼馬へ黙祷を捧げた後。
結界を支える紅葉、阿修羅王、夜叉王を除いた5人は、ヴァジュラとの決戦に向かうため、結界から外に出してもらった。
体の中を薄い膜が通り過ぎたような感覚の後、真っ暗で重い空気の中に出る。
周りには、先程天から降り注いできた触手がいくつも地面に突き刺さっており、暗い密林のようになっていた。
ヴァジュラの気配はやはり、上から──空に浮かぶ邪空間の中から漂っていた。あそこから最初の攻撃を仕掛けてきたのだろう。そして、蒼馬を──。
聖はギリッと奥歯を噛み締めると、激しく天を睨み付けた。
(蒼馬、待ってろ、仇は取ってやる──!)