FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
(攻撃がまったく通らない)

 
二千年前と同じ。
 
神でさえ驚愕した、恐ろしいほどの強さ。
 
力を取り戻した今も……普通の攻撃では掠めることも出来ない。
 
7人の命を懸けて、やっと封印した相手。
 
運命を変えることは、生半可なものではない……。

それでも負けるわけにはいかない。
 
蒼馬の仇を取って、全員無事で、帰るのだ。
 
聖はキッと前を見据え、力強く地面を蹴った。




和泉神社に戻り、圭一郎らに元の配置に付くよう指示した蓮は、そこから都心部の方を眺めた。
 
紅葉達の結界のおかげで、邪空間の邪気はほぼ完璧に絶たれている。術者達には万が一の事を考え、いつでも結界を張れる準備をしてもらったのだ。
 
万が一など、あってはならないが、用心に越した事は無い。

「蓮くん。神楽も真秀も配置につけました。私達だけでは恐らく、数分と保たないでしょうが……もしもあの結界が破られた時、次の結界を張るまでの繋ぎくらいにはなるでしょう」
 
圭一郎はそう報告する。

「そうですか……」
 
圭一郎の子供達も待機してくれている。
 
子供の頃から、一緒に術者として仕事をしてきた仲間達だ。信頼はしている。だが……。
 
何となく嫌な感じがしていた。
 
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