FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「今、治します」
李苑は3人の様子を確認し、ずっと項垂れたまま動かない十夜の傍に行った。
「十夜さん、大丈夫ですか……?」
そう声をかける。
十夜は大粒の汗をポタポタと地面に落とし、真っ青な顔で震えていた。
「だ、大丈夫、だ……」
その様子があまりにも異様だった。
「……十夜、さん……?」
李苑が手を伸ばしかけると。
「──離れろ!」
十夜は勢い良く李苑を突き飛ばした。李苑は小さく悲鳴を上げたが、すぐに立ち上がった。
「十夜さん……!」
聖、真吏も異常に気付き、李苑の前に立ちはだかった。その前にジャクラも立つ。
「下がれ……」
ジャクラがそう告げると、聖と真吏は李苑とともに数歩下がった。
「ううぅ……ぁあ」
苦しげな声を上げる十夜。その体からは悪しき“気”が立ち上がっていた。
「まさか……ヴァジュラの呪縛が解けきってないのか!?」
過去を思い出したことで、完全に呪縛から解き放たれたと思っていたのに──。
「だからヴァジュラは、あんなにあっさりと……」
李苑は簡単に要求を呑んだヴァジュラの姿を不審に思っていた。それは、こういうことだったのか。
李苑は3人の様子を確認し、ずっと項垂れたまま動かない十夜の傍に行った。
「十夜さん、大丈夫ですか……?」
そう声をかける。
十夜は大粒の汗をポタポタと地面に落とし、真っ青な顔で震えていた。
「だ、大丈夫、だ……」
その様子があまりにも異様だった。
「……十夜、さん……?」
李苑が手を伸ばしかけると。
「──離れろ!」
十夜は勢い良く李苑を突き飛ばした。李苑は小さく悲鳴を上げたが、すぐに立ち上がった。
「十夜さん……!」
聖、真吏も異常に気付き、李苑の前に立ちはだかった。その前にジャクラも立つ。
「下がれ……」
ジャクラがそう告げると、聖と真吏は李苑とともに数歩下がった。
「ううぅ……ぁあ」
苦しげな声を上げる十夜。その体からは悪しき“気”が立ち上がっていた。
「まさか……ヴァジュラの呪縛が解けきってないのか!?」
過去を思い出したことで、完全に呪縛から解き放たれたと思っていたのに──。
「だからヴァジュラは、あんなにあっさりと……」
李苑は簡単に要求を呑んだヴァジュラの姿を不審に思っていた。それは、こういうことだったのか。