FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
ヴァジュラを倒せずに消えてしまったら、どうなるのか。
悪しき者に支配される世界。
それを神々が黙って見ているとは思えないが……戦場となる人間界はどうなるのだろう。
そこにいる母は。
眠り続ける妹は。
生きながら地獄を味わうのだろうか。
(……嫌だ)
一緒に戦ってきた仲間達の願いも叶える事が出来ずに、このまま消えてしまうのか?
(嫌だ!)
グッと手に力を入れる。──手足の感覚が戻ってきた。
(俺は……皆のいた世界を、護りたい──!)
カッと目を見開くと、暗闇の中に一筋の細い光が差し込んできた。
目を細めて眺めていると、そこから一本の手がスッと伸びてきた。
聖はそれを、躊躇いなく掴んだ。
手は、力強く聖を引き上げる。
「……?」
辺りは真っ白だった。
今までいた暗闇とは正反対の白に、思わず目を細めた。
徐々に目が慣れてくると、繋いだままの手が目に映った。顔を上げて、その人物の顔を確認して──心臓が止まるかと思った。
「蒼馬……!」
驚く聖の顔を見て、蒼馬は悪戯っ子のような無邪気な笑顔を見せる。
そして、ゆっくりと聖から手を離し、数歩後ろに歩いていくと。白の世界に人影が浮かび上がってきた。
悪しき者に支配される世界。
それを神々が黙って見ているとは思えないが……戦場となる人間界はどうなるのだろう。
そこにいる母は。
眠り続ける妹は。
生きながら地獄を味わうのだろうか。
(……嫌だ)
一緒に戦ってきた仲間達の願いも叶える事が出来ずに、このまま消えてしまうのか?
(嫌だ!)
グッと手に力を入れる。──手足の感覚が戻ってきた。
(俺は……皆のいた世界を、護りたい──!)
カッと目を見開くと、暗闇の中に一筋の細い光が差し込んできた。
目を細めて眺めていると、そこから一本の手がスッと伸びてきた。
聖はそれを、躊躇いなく掴んだ。
手は、力強く聖を引き上げる。
「……?」
辺りは真っ白だった。
今までいた暗闇とは正反対の白に、思わず目を細めた。
徐々に目が慣れてくると、繋いだままの手が目に映った。顔を上げて、その人物の顔を確認して──心臓が止まるかと思った。
「蒼馬……!」
驚く聖の顔を見て、蒼馬は悪戯っ子のような無邪気な笑顔を見せる。
そして、ゆっくりと聖から手を離し、数歩後ろに歩いていくと。白の世界に人影が浮かび上がってきた。