FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
まさか……と、最悪の結果を予想した。だが返ってきた答えは。
「天界に送り返してきた。まったく! 全員が無事だと知った途端、吉祥天に手を出そうとする不埒者めが!
あんな戦いの後だと言うのに仮にも“神”人間に手を出すなど言語道断! あの恥知らずが! 天帝にみっちり説教されるがいい!!」
阿修羅王は頭に角が見えそうなくらいの怒りようだった。
「……」
聖は無言で李苑に視線を投げた。
それに気付き、李苑は曖昧に微笑んだ。……どうやら事実のようだ。
(あの馬鹿は……)
少しでもジャクラの身を案じたことを後悔する。
「……阿修羅王達は、どうするんだ?」
天を捨ててきた、と言っていた2人に、問いかける。
「私達は一度天を捨てた身。もう天界へは戻らん」
「“阿修羅王”と“夜叉王”がいなくなれば……」
「心配ない。“阿修羅”を継ぐべき者は遺して来た」
穏やかに阿修羅王は言う。
夜叉王も同じく、穏やかな顔で頷く。
「だから私達はもう“王”ではない。唯人として、これからのお前たちの行く末を見守ろう」
「阿修羅王…」
「お前たちが生まれ変わり……また天に還る時が来たら、新たな“阿修羅王”と“夜叉王”を頼むな」
「……分かった」
聖が頷くと、2人はくるりと背を向けた。
「ではな。またいつか、会おう」
「天界に送り返してきた。まったく! 全員が無事だと知った途端、吉祥天に手を出そうとする不埒者めが!
あんな戦いの後だと言うのに仮にも“神”人間に手を出すなど言語道断! あの恥知らずが! 天帝にみっちり説教されるがいい!!」
阿修羅王は頭に角が見えそうなくらいの怒りようだった。
「……」
聖は無言で李苑に視線を投げた。
それに気付き、李苑は曖昧に微笑んだ。……どうやら事実のようだ。
(あの馬鹿は……)
少しでもジャクラの身を案じたことを後悔する。
「……阿修羅王達は、どうするんだ?」
天を捨ててきた、と言っていた2人に、問いかける。
「私達は一度天を捨てた身。もう天界へは戻らん」
「“阿修羅王”と“夜叉王”がいなくなれば……」
「心配ない。“阿修羅”を継ぐべき者は遺して来た」
穏やかに阿修羅王は言う。
夜叉王も同じく、穏やかな顔で頷く。
「だから私達はもう“王”ではない。唯人として、これからのお前たちの行く末を見守ろう」
「阿修羅王…」
「お前たちが生まれ変わり……また天に還る時が来たら、新たな“阿修羅王”と“夜叉王”を頼むな」
「……分かった」
聖が頷くと、2人はくるりと背を向けた。
「ではな。またいつか、会おう」