FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
世間を賑わせた都心部崩壊も、復興が進み、時が流れ、白い淡雪が街を覆う頃には、ニュース番組で取り上げられる回数も減っていった。
東京の様子を気にしながらも、聖は受験の最後の追い込みに入っていった。
『春になったら、逢いましょう!』
仲間達の半分が受験生であるため、こう言い出したのは李苑だった。
あの長い戦いで失った時間を取り戻し、見事高校に合格したら飛高邸に集まろう。そう、約束した。
それを心の支えに、聖は頑張った。
もちろん、聖だけではない。蒼馬も、蓮も、そして李苑も。きっと同じ気持ちで。
紅葉、真吏、十夜は彼らが無事に合格するのを祈りながら、春を待った。
そして、3月。
中学校を卒業し、迎えた高校受験。
一喜一憂する学生達を掻き分け、聖と蒼馬は掲示板の前に出た。
張り出された紙に、自分の番号は──あった。
思わず蒼馬を振り返る。強張った表情のまま彼を見ていると、徐々に笑顔が広がっていくのが分かった。
「あ、あった!」
「俺も」
2人は笑いながら抱き合った。
すぐに蒼馬は家族に携帯で合格を知らせ、その後、メールを作成し、仲間達に合格を伝えた。
聖は携帯を持っていないので、家に帰ってから報告をしようと思っていると。
東京の様子を気にしながらも、聖は受験の最後の追い込みに入っていった。
『春になったら、逢いましょう!』
仲間達の半分が受験生であるため、こう言い出したのは李苑だった。
あの長い戦いで失った時間を取り戻し、見事高校に合格したら飛高邸に集まろう。そう、約束した。
それを心の支えに、聖は頑張った。
もちろん、聖だけではない。蒼馬も、蓮も、そして李苑も。きっと同じ気持ちで。
紅葉、真吏、十夜は彼らが無事に合格するのを祈りながら、春を待った。
そして、3月。
中学校を卒業し、迎えた高校受験。
一喜一憂する学生達を掻き分け、聖と蒼馬は掲示板の前に出た。
張り出された紙に、自分の番号は──あった。
思わず蒼馬を振り返る。強張った表情のまま彼を見ていると、徐々に笑顔が広がっていくのが分かった。
「あ、あった!」
「俺も」
2人は笑いながら抱き合った。
すぐに蒼馬は家族に携帯で合格を知らせ、その後、メールを作成し、仲間達に合格を伝えた。
聖は携帯を持っていないので、家に帰ってから報告をしようと思っていると。